『ザリガニの鳴くところ』を観てきました。感想にネタバレあるかもしれませんので、未見の方はご注意です。すごくおもしろいミステリーでした。ミスリードにやられた感。見終わった後、余韻をひきずるというより、考察が楽しいので、誰かと一緒に見た方がより良いかもと思いました。
湿地帯で発見された青年の変死体。容疑者は、“そこ”に暮らす少女
亡くなった青年は、街の裕福な家庭で育った青年。容疑をかけられた少女は、湿地帯で一人で暮らす少女。街の人たちが、口々に少女を犯人と決めつけているところから始まりました。
以下、ネタバレに触れる部分が出てきます。
憶測で決めつけられた犯行内容や容疑に持っていた感情が、最後の最後にひっくり返されて「やられた!」という気持ちに。まんまと誘導されてしまいました。
見終わった後に振り返って、見ているときにちょっと引っかかっていた2ヶ所がこれ。
- 誰もカイアに殺したの?と聞いていない。弁護士でさえも。
- カイア自身は、やってないとも言っていない。死刑でもいいからここ(拘置所?)から出たいとは言っていた。
ミスリードを揺さぶる場面だと思ったところ。カイアが足跡を消すところ。赤い帽子。はじまりからすべて。自然の恵みで育まれた無垢な少女という最大のトリック。
アメリカベストセラーという触れ込みでしたが、この誰でも引っかかってしまう、巧妙なしかけが好まれたのかもしれません。こういう騙され方なら、爽快です。
事件とは裏腹に、水面が美しい湿地帯の風景と、繊細に描かれた生物たちの絵がステキでした。自然の映像美がとても良かったです。
22.12.05