アーティゾン美術館 Artizon Museum, Tokyoで開催中の「空間と作品」を観てきました。
絵を飾るお部屋ごとの展示、額縁に注目した空間展示で、作品との距離も近く、視点がさらに広がる見方ができた気がします。気になった展示をチョイスして行きます。順路は【6階】→【5階】→【4階】と降りてきます。
【6階】
円空「仏像」/「仏像」
円空は、諸国を行脚しながら訪れた先々で仏像を掘り、寺院に納めたり交流を持った村人のために掘ったりと、その数は5,000体以上と言われます。なんとも親しみやすいご尊顔は、日常的に眺められると、ありがたい気持ちになります。ほっこり。
パブロ・ピカソ「腕を組んですわるサルタンバンク」
大きな絵です。説明文に、持ち主だったピアニストが、絵の下にソファーを置いて、写真を撮っている姿があり、そのピアニストは客人にこの絵を自慢をしていたエピソードが載っていました。
円山応挙「竹に狗子波に鴨図襖」
襖のために作られた特別な空間。後ろのライティングも自然光のようなシチュエーションになっていました。畳に座って見られます。日常にある襖絵を鑑賞するとはとても贅沢な空間です。どんな部屋に使われていたのでしょう。
生活空間展示。おもしろい試み。家具、置物も作品であり、贅沢なコラボ展示となっていました。一部、椅子に座れて作品を眺められ、作品を日常な気分で(?)感じられる、粋な計らいのある空間でした。自分の日常とは到底かけ離れていて想像つきませんが、こんなテーブルでコーヒーを飲みながら居られるなんて、ステキ空間です。
【5階】
古賀春江「遊園地」/「美しき博覧会」
古賀春江好きかも。と思った作品。
前田青邨「風神雷神」
今年観られた2作目の風神雷神。こちら、「風神雷神図」を描いた7人の画家によると、7作品あって、この中の2作を観られました。こうなるとコンプしたくなります。
【4階】
アンリ・マティスのお部屋から、額縁いろいろコーナーへ。ひととおり額縁を見終わると、マティスのお部屋に戻れて、改めて見直すことができます。
アンリ・マティス「縞ジャケット」
マティスの絶妙な色合いは強い印象を残します。若い時はただ派手な色使いが多いな、ぐらいに持っていたのですが、大人になってからその配色が好きになりました。あと模様。
山下新太郎「モンパルナスのテアトル・ド・ラ・ゲーテ」/「リオン・ド・ベルフォール広場」
額縁が目立っている
岸田劉生「麗子像」/国吉康雄「夢」
額縁と同化している
藤田嗣治「ドルドーニュの家」/「猫のいる静物」
額縁と同化している2
アルフレッド・シスレー「サン=マメス六月の朝」/牛島憲之「タンクの道」
額縁と同化している3
ジョルジュ・ブラック「円卓」/パブロ・ピカソ「ブルゴーニュのマール瓶、グラス、新聞紙」
手描き!
ピート・モンドリアン「砂丘」
点の重なり、線の重なり
パブロ・ピカソ「カップとスプーン」
一体感! 素朴な額縁がハマりすぎてインパクト大。
酒井抱一/鈴木其一「夏図(十二ヶ月図の内)」
出光美術館に続き、アーティゾン美術館でも酒井抱一、鈴木其一が見られました。中は酒井抱一、外側はお弟子の鈴木其一で、琳派師匠とお弟子のコラボ作品なんだそうです。なんという遊び心。これも額縁の一種というなら、豪華すぎます。
「鳥獣戯画断簡」
かわいいのがありました。アーティゾン美術館のグッズにも展開されていました。
買ってきたポストカードと一筆箋。
作家のジャンル、時代もさまざま。一度にたくさん見られた気分になれて、写真撮影OKなのもありがたい。かつての持ち主の存在や、発注者の存在を新たに感じながら見られるいい展示会でした。アーティゾン美術館はステキなだあ。
「空間と作品」
期間:2024年7月27日[土] - 10月14日[月]
休館:月曜日(8月12日、9月16日、9月23日、10月14日は開館)、8月13日、9月17日、9月24日
時間:10:00ー18:00(毎週金曜日は20:00まで)*入館は閉館の30分前まで
料金:
【一般】ウェブ予約チケット1,200 円 *クレジット決済のみ
窓口 1,500 円
【大学生・専門学校生・高校生】無料 要ウェブ予約 *入館時に学生証か生徒手帳をご提示ください。
【障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名】無料 予約不要 *入館時に障がい者手帳をご提示ください。
【中学生以下の方】無料 予約不要
場所:東京都中央区京橋1-7-2 アーティゾン美術館 6・5・4階 展示室
24.10.11