カエルニッキ

ド・ザイナー。

『潜水服は蝶の夢を見る』

ネタバレあります。

『潜水服は蝶の夢を見る』を観てきました。

有名ファッション誌のフランス版「ELLE」の編集長として、華やかな現場を飛び回る人生から一転、脳梗塞(こうそく)で身体の自由が効かなくなってしまった、ジャン=ドミニック・ボビーの実話を映画化したものです。

動くのが左目まぶただけで、まばたきで意思を伝える作業が、とても気の遠くなるものでした。「はい」は、まばたき1回。「いいえ」は、まばたき2回。単語に使われやすい順番に並べられたアルファベット(フランス語なのでなんというかわかりませんが)を言語療法士が読み上げ、まぶたで合図するというやりとり。それで一冊本を書いたのだというのだから、まばたきをする方と、それを読み取る方の忍耐強さといったら、壮絶なものでした。

本が無事に出版されたというニュースを聞いたとき、肺炎にかかっているのですが、目の前に現れるみんなの顔が、どこか様子が違っていて、ああ、もしかしてそろそろ死ぬのかと感じました。実際、ジャン=ドミニック・ボビーは出版後すぐに亡くなったそうですが、観客にそう思わせる、カメラワークの心理描写はみごとだと思いました。

いろいろぐぐってたら、倒れたのが1995年の12月8日とも、1996年ともあって、亡くなったのが1997年の著書発売の2日後とか、10日後とかあやふやなところはありますが、だいたい一年闘病したことになるのでしょうか。

【参考サイト】
「潜水服は蝶の夢を見る」 まばたき20万回 心は空へ

潜水服は蝶の夢を見る

潜水服は蝶の夢を見る