カエルニッキ

ド・ザイナー。

魚が噴煙の中を飛ぶ『太陽』

『太陽』ロシアのソクーロフ監督が昭和天皇を描いた『太陽』を観てきました。これほんとロシアのシトが作ったの? というぐらいすごい和の心があったような気がしました。ドキュメンタリータッチですが、戦火の映像はおどろおどろしくも幻想的でその感覚に感動します。全体の映像がセピア調で、陛下のいるところでは、遠くでかすかに爆音がしたり、機械を動かす音がして、戦火の中にいて安全な場所なのだというのが、何となくわかって、とても生々しさが残りました。

陛下の苦悩が、いわば謎かけのように出てくるので、うっかりすると見逃していたところもあったかも知れません。ハリウッド映画のように分かりやすい演出ではありませんでした。孤独な天皇を描いたと言われる映画ですが、とてもユーモラスな部分もあり、その茶目っ気のあるところが、この映画のいいところのような気がします。どうか、映画が好きな方に、機会があればぜひ観てもらいたい一本です。