カエルニッキ

ド・ザイナー。

『ゴールデンカムイ展』


東京ドームシティGallery AaMoで開催中の、『ゴールデンカムイ展』に行ってきました。祝日チケット日時指定券です。感想にネタバレありますので、未見の方はご注意です。

本展覧会はコミックス既刊以降の物語も展示します。アニメ化されていないストーリーも含まれますので、あらかじめご了承のうえ、ご来場ください。(公式よりコピペ)

途中途中泣きそうになりながらこらえて見た。最後のゾーン以外はスマホ静止画撮影OKでした。すばらしい展覧会。


▲以下、会場の様子の写真と、私の思いです。


アシリパさんといるときの杉元は優しいので、戦いの場面の変貌はアシリパさん目線で見られてたかも。私の中で好きなふたりは、豪雪の鹿の中で干し柿の話をしたあの場面。物語は干し柿に向かって進んでいったと言っても過言ではないです。
あと、歳の離れたおじさんたちみんなが、アシリパさんを一個の人間として認めていたのが、この物語の最高に好きなところです。


▲白石の潤滑油のような存在はほんとうに必要不可欠だった。シリアスな良い場面も一気にゆるむこの魅力w。網走監獄いつか行ってみたいし、実在した脱獄王、白鳥由栄をモデルにしたと言う映画『破獄』もそのうち見たいです。


▲困った時に助けてくれる義理堅い谷垣ニシパ。マタギでトーホグ人と言うことでちょっと親しみあったけれど、おそらく金カム1番の良心。展示会場限定の、野田サトル先生の絵画のモデルにもなってました。
インカラマッと末長くお幸せに〜。


▲尾形はもうしょうがない。尾形だから。


▲土方さんと永倉さんの胸アツ場面がたくさんありました。作中の土方さんの闘っている時の足腰の描かれ方がとても力強くて好き。五稜郭にたどり着いた時の一言がまた泣ける。和泉守兼定を託す時のセリフと、その後を見据えてたことを思うと、どこまでもどこまでも筋が通った人だったなと思う。


▲鶴見中尉の真意とは……。ずっと何を考えているのか、月島軍曹と一緒に見据えていましたが、ほんとに最後の最後、骨を落とした時の優しい顔で、人の心があった!なんて思ってしまいました。かねてより中尉の目的は日本国の繁栄にあり、その道の傍らにセンチメンタルがあると本人が言っていましたが、大事な答えは両方あったんだと、個人的には思う。生死不明という描き方はとても鶴見中尉にふさわしいと思いました。


▲月島の「本当にあなたという人は」って鯉登少尉のこというところが好き。このふたりの関係を表すわかりやすい言葉。「月島ぁ!ドンドン!」


ゴールデンカムイいろいろ変態に挑戦的で好きですが、宇佐美探偵にはドン引きしましたw 二階堂のお箸はかわいい。痛い表現にウゲッとなったあとに、笑ってしまうこの感じ、ゴールデンカムイだけです。


▲最終回、他のキャラが順当に壮大な最期を遂げたり、未来を担って志を貫いたり、と熱い展開がある中、え、3人でアメリカに渡ってカルト映画!? ってなった門倉、キラウシ、マンスールの話すごく好き。もはや強運トリオですね。


▲ロシアつながりでパネルがくっついていたけれど……。
樺太からの微妙な距離感でアシリパさんたちと移動してきた頭巾ちゃん。絵画「山猫の死」で、こういう形で知ることができるとは! 山猫は、凶暴で懐かないし、目が良くて狩りがうまい。頭巾ちゃん多分しゃべらない分、残した絵の威力は強烈。最後まで手放さなかったというところも。

ソフィアもキロランケもそうだけど、みんながアシリパに思いを託して逝ってしまうところが無念でした。


▲網走ゾーンです。


▲顔の皮を剥ぐとか強烈ですが、監獄でのウイルクと土方歳三の約束事を知った時、こんなやるかやられるかの世界で、仁義を通した土方さんに、すごくあったかい気持ちになりました。そして白石の顔がないのがおもしろいです。


▲ボッキおじさん。名言と犬とインパクトを残して行きました。


▲ところで、作中の放送禁止用語ギリギリのネーミング、いつどこからか飛び火して潰されないかヒヤヒヤします。強くてでっかいチンポ先生のため息と「お嬢…怪我ないか?」に続く、家永の「完璧はいつだった?」に対して「いまだよ…いま」が名シーン。どうしてこういう最後が考えられるのか野田サトル先生はすごい!


▲登場人物、それぞれペアだったりして、つながりがあるけど、白石だけはひとりだな、と思っていたけれど、ボウタロウがいました。最後の最後にそれに気づいた感じです。ボウタロウはエレガント。アニメやるなら、声は鳥海浩輔さんが私の中で一番イメージに近い。


▲強烈な個性のキャラばかり集まった囚人たちですが、トニさんは結構別格にカッコよかった。あの「静かになった」真っ白な1ページ、最高です。お疲れ様でした。


▲江渡貝くぅぅん。今度北海道に行ったら、開拓村に行ってモデルになった江渡貝くんのお家に行こうと思っています。結構そのままらしいです。


▲谷垣ニシパの少女団好き。何を見せられたんだ感が。全編において時々こういう休息?シーンで、その土地の文化を垣間見られて、バランス取っていたのかなと思ったり。


樺太の文化と民族の地図のところわかりやすくて良かった。同じアイヌと言われている民族でも違った生活様式があったの、こんな風に分布してるんだあと思いながら。


▲ちょっと違ってちょっと似ている。



▲たまーにある野田サトル先生のコメントが愛おしい。


▲こんなにたくさんの登場人物が出てきているのに、みんなにドラマがあって思い入れ持たざるを得なくて、非道な人でも憎めないところあって、やれやれです。土方さんかっこいいい!


▲ちょっと早めに行ってめぐった、展示会場の周辺に点在している北の大地の動物パネル10枚探しも楽しかったです。一体一体の動物たちのエピソードを思い出していましたが、ことさらシマエナガの回は、なんとも言えない空虚感が残りましたなあ。


▲シークレットだったNo.10。これは凶暴。
【参考までに↓】


帰宅してから、図録見てましたが、インタビュー記事良かったです。先生、資料関係の他の作家さん、そこに思い入れが! みたいなところが多々あり、できれば見る前に知ってた方が良かった的なところも。資料の質と量、読者をいい意味で出し抜く発想の転換、その操縦が見事なんだなぁと改めて思いました。

東京は6月26日(日)まで!

『ゴールデンカムイ展』東京会場
期間:2022年4月28日(木)~6月26日(日)
休館:開催期間中無休
時間:11:00~20:00(最終入館は閉館30分前)
料金:一般・大学生:1,800円
   中学・高校生:1,500円
   小学生:1,000円
場所:東京ドームシティ Gallery AaMo(ギャラリーアーモ)
   東京都文京区後楽1-3-61

最後までご覧いただきありがとうございました。


22.05.27