カエルニッキ

ド・ザイナー。

『ゲティ家の身代金』字幕版


リドリー・スコット監督最新作『ゲティ家の身代金』 字幕版を観てきました。感想にネタバレ含まれるかもしれませんので未見の方はご注意です。

1973年におきた世界中を驚かせた誘拐事件の物語です。

次々に状況が変わる、緊張感ある長丁場の作戦でした。世界一レベルの資産家の誘拐事件は、まるで別世界のお話で縁遠いけど、儲けるのと金持ちは違うとか、ゲティさんの言葉には説得力があり、そして、節約家だったのがすごく印象的。無駄な投資はしない。身代金にまで節税対策するという、これが本来のお金持ちの姿なのか。

ときに誘拐の電話を入れたときに、誘拐犯「おたくの息子を預かっている」母「どうもありがとう〜」という始めのすっとぼけた会話がおもしろかった。このあとも実話をもとに作ってるだけあって、人の心理や行動がとても生々しいです。(耳事件グロ有りです)

富豪の孫の誘拐事件ということで、世間のマスコミの騒ぎ方がひどかった。何度も車に群がり進行を止めたり、その時代ではよく見られたのか、単車で追いかける姿がありました。

精神的にこたえたのは、とにかくお金を用意したい母親が、昔もらった置物を売りに出すとき。あと、誘拐されたところの地区は、住民みんながグルだっていう現実がショッキング。現在もあるらしいです。こころを揺さぶられた無慈悲で絶望的な場面でした。

本作は、公開1ヶ月前にゲティ役変更を余儀なくされて、短時間で再撮影成し遂げた映画だそうです。リドリースコット監督80歳のパワーすごいです。

18.05.29