カエルニッキ

ド・ザイナー。

『鑑定士と顔のない依頼人』


(C) 2012 Paco Cinematografica srl.
ジュゼッペ・トルナトーレ監督最新作『鑑定士と顔のない依頼人』を観てきました。音楽はエンニオ・モリコーネの強力タッグ! 鑑定士と一緒に、ぐいぐい顔のない依頼人に引きこまれていきました。鑑定士ヴァージル役のジェフリー・ラッシュの声のいいこと。みごとにハマリ役だったと思います。

顔のない依頼人に、鑑定士ともどもグイグイ引きこまれているうちに、はて? と思う瞬間が何度かあるのだけれど、最後決定的に驚くシーンのあとでは、もしかしてあれもあれもだったのかという、映画館を出てからも次々に記憶の糸をたどっていくと、すごいことに……! 巧妙に仕掛けられたミステリーと、鑑定士の心理と一緒だったメロディがずっと心に残ります。あのショックな場面の声も出ない感じの演出は、心臓が止まりそうになるぐらい、心に残るものでした。悲しくも美しい映像美の見せ方のすばらしさ。

ジュゼッペ・トルナトーレ監督の映画は、後から後からじわじわくるのが多いのですが、例にもれずこの映画もそうでした。コピーにもあった、結末を知ると物語の構図が一転する。まさにそうです! 2度目は全く違う視点からみることになるでしょう。また観に行きたいです。帝都でも上映館が2館だけで、少なすぎる!