カエルニッキ

ド・ザイナー。

『すばらしき映画音楽たち』


『すばらしき映画音楽たち』をようやく観てきました。

映画音楽家はもちろん、プロデューサー、監督、演奏者、あらゆる映画音楽関係者、もしくは当事者たちが、インタビューに答えながら素人にも分かりやすく解説をしてくれて、クライマックスばりの感動の名曲を名シーンとを流すので、すべてに感動するしかなかった。今日も泣いた!

主にハリウッド映画に関係する人たちの登場でした。天才とか、風雲児とか言われた音楽家たちが、「話が決まったときはみんなの前で喜んでいる顔しているけれど、実はまったくのノーアイデアで内心ヒヤヒヤさ!HAHAHA!」みたいに、人知れずプレッシャーに耐えぬいて、作品を編み出しているのが、やっぱりすごくて。

映画に音楽が付き始めた頃の時代から、順を追って話が進んでいきます。とてもわかりやすくまとまっています。

もはや代名詞となるぐらいのインパクトを残した作曲家たちの話。西部劇ならエンニオ・モリコーネ、音楽がなければ平坦なシャワーシーンだったサイコ、ジョーズのあの音楽はコミカルな旋律を恐怖に変え、そしてスター・ウォーズの華やかなオーケストレーションと、悪役のマーチのテーマは、物語の印象を強烈に残す大きな役割を果たしたと、音楽の存在の大きさを時代に沿って解説していく流れは、懐かしい場面も流れてノスタルジックな気分でみられました。脳の専門家のE.T.の解説は泣けた。

基本はこの二種類の旋律だけで、あとはアレンジを変えて映画の最後には大きな編成で曲の印象を強く残す、という手法も、聞けばナルホドなーと思うばかり。

時代と共に楽器、デジタルと、作曲者の手法が変わってきます。音楽家がどの音楽畑の出身かで、また映画音楽に新しい旋風を巻き起こしていくのもおもしろいかったです。

最後にジェームズ・キャメロン監督が『タイタニック』を作っているときに、ジェームス・ホーナーとのやりとりで「スケッチ」というタイトルで曲が送られてきて、それが劇中でディカプリオがスケッチをするシーンにぴったりハマっていてすばらしいよ!と返事をしたら、試し書きのスケッチという意味だったという話が、おもしろかったです。

劇中では、すでに亡くなった作曲家もいらっしゃいますが、ホーナーはあまりにも急でした。残念です。


現在都内の上映館は、劇場案内 | シアター・イメージフォーラムのみ、午前中1回上映となっております。取り上げられる音楽家はメジャーな映画手がけた方ばかりですが、見られる機会があればぜひとオススメしたいです。この映画を見て、より一層、映画を感じる気持ちが強くなった気がします。