カエルニッキ

ド・ザイナー。

近所の犬や猫に評判

夏と花火と私の死体小さい頃、大人をあざむいた経験は誰にでもあるんじゃないだろうか。うーカエルも思いだせるのだけでもいくつかあります。ここじゃ暴露できないけどネ。あ、ちょっと違うけど高校生の時、学校で持ち物検査して、その時タバコ持ってたのに、先生が見つけなくて切り抜けた時があったよ。先生は生理用品の中は開けなかったにゅ。あの時はヒヤヒヤしたなーもう。

そのポーチの中を開けたら見つかる! 開けるか開けないか! 先生の指がファスナーにかかる! そんなヒヤヒヤの連続だったのが、先日観た『ZOO』という映画の原作者でもある乙一の、『夏と花火と私の死体』というお話です。もうすごいハラハラオモチロイ! バレたらバレたでいいじゃんと、初めから開き直らないでいただきたい。世の中愉しむには突っ込んでいかないと、と日頃から思うカエルなのでした。

つか、ウソがウソを生み出して肥大していく恐怖をキミは味わったことがあるか。カエルはナイ! なぜならすぐバレるから! ちがうちがう、そんなことが言いたいのではなくて、ひとつのウソをつき通すために、他は正直になるというのが、一番効率的でしたたかだなんだなと思った。それをゲームのような感覚でやっていたのがこの話の中に出てくる健くんという少年です。

健くんはかっこいいぞよ。まだ小学生なのに次々と襲ってくる不利な立場を、冷静な判断力を持って切り抜いてゆきます。しかもとても妹想いで優しいです。惚れた! しかし、しょせん子どもは子どもだ。上には上がいるものだと思い知らされるときが来る。カエルも小さい頃、してやったりと思っていたのも、きっとバレバレだったんだろうなあ。

にしても、乙一作品の良いところは、そのぐちゃぐちゃした感じのままで終わらない爽やかさにあると思う。爽やかと感じるのはもちろん個人差があると思うけど、カエルはスキだなー。 他『優子』一遍が入ってます。こちらは例によって想像のつかない大どんでん返し! まったく当時16歳の青年がここまで書けるのかと思いまひた。