カエルニッキ

ド・ザイナー。

『存在のない子供たち』字幕版


『存在のない子供たち』字幕版を観てきました。感想にネタバレあるかもしれませんので、未見の方はご注意です。


子供が大変な目に遭ってる辛すぎた映画でした。それでも見て、知って良かったと思える映画です。この映画は創作ドラマだけれども、実際に起こっている現実で、役者も同じ状況の立場の人たちとのことです。

多くのシリア難民が逃れて入国しているレバノンのスラム街が舞台。

冒頭で恐らく12歳ぐらい(本人の誕生日が不明)のゼイン少年が、裁判での証言してからの回想シーンから始まります。「僕を生んだ罪」の訴えは、想像以上でした。

日本で暮らしていたらおおよそ想像つかない出来事をいくつか。

母の使いでとゼイン少年が何軒もの薬局に買いに行った痛み止めの薬を(処方箋がでっちあげっぽい)、家で母親と他の子供たち(赤ちゃんもいた)が薬の錠剤を砕いて、何かの液体と混ぜ衣類に浸し、乾かして、それを刑務所にいる恐らく息子? に差し入れて渡して「前回のブツ良かった」的な会話がされていた。 

下の妹サハルが11歳になった時、近所のスーパーの(あまりいけすかない)男と結婚することに。ゼインは大反対し、サハルは大抵抗ですが、この縁談は家の生活のためと、親にたしなめられる。その後、サハルは妊娠して、出血がひどく亡くなってしまった。

ゼインが家を出て独りで生きて行くことになったときに、助けてくれた女性ラヒルも実は訳ありで、難民で不法移民で小さいお子様ヨナスがいた。親切にしてくれた優しい人もまた移民。無慈悲にも小さい子を残して当局に捕まり牢屋に収監されてしまう。

想像し得ない切なくて悲しいできごとばかりだけど、妹と屋上でお話ししてるひとときや、ラヒルが、ゼインとヨナスが仲よく寝ているところに、お香のようなものを振りまいている場面があったかかった。

私の心が凍りついたのは、稼いだお金を全額失った時でした。
ヒルが当局に捕まったことを知らずにいたゼイン。いつまでも帰らないラヒルを待ちつつ、まだヨチヨチ歩きの、ヨナスには食べ物が必要で、新天地へと考えたゼインは、皮肉にも家族で薬品を売ってた方式で、それなりにお金を稼いでしまう。お金をお手洗いのパイプに挟めて保管していたところ、ある日大家に家を締め出されて、全額失ってしまった時の喪失感が一番大きい衝撃でした。

実の親は裁判所の証言で、何もかも貧しいのがいけないというけれど……。また新しく生命を身ごもった実の母親は、死んだ妹の名前をつけようとするところに、違和感。


ゼイン役のゼインくんは、実際シリア難民で、劇中と状況がほとんどいっしょ。なんて憂いに満ちた表情するんだろうと思ったら、彼の中にあるそのものだったのだなあと。演技指導はほとんどなかったとメイキングにありました。

あのままでは救いが少なくて、あまりにもホッとしたいので、メイキング映像見て少しホッとしました。心がざわついている方はどうぞ。

メイキング


銀座シネスイッチで見ました。


この日の朝は合同アサカツモーニングと洒落込みました。このあと映画へ。以前、アサカツモーニングでも行ったことのある銀座カフェ ノアカフェです。ここは雰囲気いいのでオススメです。


映画の後は、スヌーピーフェア中の銀座三越で,ARスタンプラリーでステッカーゲット


暑すぎてゆがんで見える


この辺に来たらつい寄ってしまう。木村屋でメロンパンとクリームチーズパンを買いました。

19.08.22