監督・長井龍雪、脚本家・岡田麿里、キャラクターデザイン・田中将賀の最新作『ふれる。』を観てきました。感想にネタバレあるかもしれませんので、未見の方はご注意です。
触れると心の中が伝わりあう、仲良し3人男子の友情物語。言葉で説明するよりも触れ合った方が、瞬時に気持ちが通じるのが便利。その分うっかり悪い思考が浮かんだ時はどうなるのって思うけれど、これには仕掛けがありました。
途中から相手の気持ちがわからない空白があった時、今までわかり合っていたかのような仲が、だんだん険悪になっていくのですが、それは個人の劣等感からくる疑心暗鬼の作り出した思い込みだったりして、案外もろい友情でした。
それぞれの気持ちのすれ違いと、心の変化が巧妙に描かれていたと思いますが、今までのこのタッグのシリーズにしては大人しめな感じがしました。
現代の情報量が多すぎる時代、知らなくとも良い事実、というのも必要かもしれない。みんな「ふれる」のように、相手の心の中がわかって(いるつもりで)、それが自分にとって不都合ないものであるならば、お互い信頼するようになり、多少のことには寛容になって、社会全体の幸福度が上がるのでは! と思いました。
24.10.15