カエルニッキ

ド・ザイナー。

『LOGAN/ローガン』字幕版


『LOGAN/ローガン』字幕版を観てきました。X-MEN映画の中で、というかきょう日のCGバリバリキラキラしたヒーロー映画の中で、明らかに渋みがあるいぶし銀の、いや、アダマンチウム合金の効いた重厚な映画でした!

こんなサムイこと言ってますが、見終わってからしばらく引きずってしまう内容でした……。以下ネタバレ含むと思いますので、未見の方はご注意です。




ハリウッド映画なのに、なんでこんな武士道みたいな日本人に刺さる映画になってるのかと。キラキラCGアクションになりがちなヒーロー映画にして、これだけの異色傑作になっているとは。だけど悲しさしかない! ローガンの過去、プロフェッサーの想い、濃密な人間関係を描いた、ひとつひとつのセリフが涙を誘います。最後のローガンの顔は良かった。本当に良かった……。

前作の『ウルヴァリン: SAMURAI』と同じ監督とは信じがたいです。

wikiを見比べてみたけれど、今作と『ウルヴァリン: SAMURAI』との担当人物の違いは色々細かくあって誰がどうだっていうのは判別付きにくいのですが、ジェームズ・マンゴールド監督が、今回は、脚本と原案に関わっているのが前作とは違うところです。

そもそも、見終わったあと一番気になったのは、なぜ『LOGAN/ローガン』をつくることになったのかと思わずにはいられませんでした。それは、ヒュー・ジャックマン自身が楽しい、華やかな時期に終わらせたがっていたと、監督のインタビュー記事で知りました。

今回の『LOGAN/ローガン』は原案が2つあったそうです。ひとつは守るものが出てくる、もうひとつは若いミュータントのお話。タイトルもウルヴァリンではなく、ローガンにしたところが、潔く終わらせようとしている本気のタイトルというのを感じます。

そして父親がわりの役に、プロフェッサーXのパトリックスチューワートが降臨。ジャストピッタリ! そして見た人は割とショックを受けると思うのですが、プロフェッサーは90歳になり、介護される役柄でした。クランクインの時、パトリック・スチュワートは10kg減量して来たんだとか、ヒューのインタビューで知りました。

役作りですごいといえば、ローラ役のダフネ・キーン(当時11歳)が強烈。鋭い眼光とキレの良いセリフ回しと、アクションに目が離せません。スタントもいるはずですがアクションはとにかく圧巻。

そうしてマンゴールド監督が逸材を見事に組み合わせ、大きな家族愛のロードムービーを作りました。ハリウッド映画で、家族愛はド定番ですが、これほど儚く愛おしい空間は、別格にして欲しいです。

初めの頃、ローガンが、老眼…!ププ。とか思ってた自分が、平和だ…。

監督はもう、ヒューのウルヴァリンは終わってしまったけれど、キーンのウルヴァリンなら可能性あるみたいな続編の話をしていたようです。作ろうと思えば作れそうな終わりだったので、ローガンの心意気を継いだウルヴァリンなら期待したいです。

喪失感はあるけれど、満ち足りたローガンの笑顔と、新たな希望が残った終わりに拍手です。

ローガンおつかれさまでした! ウルヴァリン最初の頃から大好きです。


17.06.05