カエルニッキ

ド・ザイナー。

第8回 東京平和映画祭「原発のない世界はつくれる!!〜こどもたちが笑顔で暮らせる未来に〜」

26日(日)は一日中反原発の映画の催し物があった第8回 東京平和映画祭「原発のない世界はつくれる!!〜こどもたちが笑顔で暮らせる未来に〜」に行ってきました。6本の原発に関する映画と、脱原発を唱える3人の講演、最後に主催者を交えパネルセッションが行われました。

見に行く前は一日中重苦しい内容で、心が持つかどうかちょっと心配でしたが、映画の内容は興味深く、講演もわかりやすく冗談も交えておもしろおかしく話が聞けました。以下ざっくりとあらすじと感想。youtubeにアップされてたり、当日のUSTも残っているようですので、見つけられた範囲でリンクを張っておきます。興味のある方はどーじょ。

●『源八おじさんとタマ』
監督:中村 徹 2011年/日本/15分 日本語

※001から006まであり、006が3/11の震災以降作られたものです。時折タマの仕草が細かいです! 原発についてどういうことかわからずただ不安になってる人には、とっかかりやすいのではないでしょうか。

最新の006の映像みつけられず。



●『隠された被曝労働 〜日本の原発労働者〜』
制作:イギリス・チャンネル4 日本語版制作:岩佐基金 1995年/日本/24分 日本語(英語字幕)取材:樋口健二

※イギリスで放送されたテレビ番組。原発作業員の被爆症状の証言と、もんじゅのある若狭湾沿岸の原子力発電所へ派遣された日雇い労働者たちへの取材。ほとんどの日雇い労働者は口をつぐんで話しませんでした。

●「核・原発依存、きっぱりやめるとき。この国の明日は、憲法軸足に拓こう!」
講演者 柴野徹夫氏(ジャーナリスト/憲法9条・メッセージ・プロジェクト編集統括)

※足が悪いようで杖をついて壇上を歩いてましたが、筋肉の衰える進行性の難病「多発性筋炎」らしく、2004年頃に発病し、2,3年で歩けなくなると診断されたけれど、まだかろうじて歩けていると笑顔で話していた柴野さんは肝臓がんの末期を生きるジャーナリストでたってるだけで壮絶な生き様を感じました。



●『チェルノブイリの真実 〜追い続けた10年間、生命(いのち)の映像記録〜』
総監修・撮影:広河 隆一 1996年/日本/60分 日本語

※今年はチェルノブイリ事故から25年、フクシマ元年とか言われてます。この映画は1986年の事故から10年たったときのもので、当初の放射能の数値が、日本と比較で500倍とか表示されるのだけど、いまや日本もそれぐらい行ってるのだなと思うと、チェルノブイリは日本の未来でした。前年に取材していた子供たちが次の年の取材で次々に亡くなっていたり、子供の為に遠くへ疎開するも、仕事がなくて被爆地に戻ってくる一家。風に乗って放射能が流れていく場所は地形に沿って変化して、半径300kmまでは原発から離れていても結構な被爆量の地域が地図で示されていて、日本に置き換えると福島から東京ぐらいまでエリアになってます。



●『原発導入のシナリオ 〜冷戦下の対日原子力戦略〜』
制作:NHK 1994年/日本/44分 日本語

※混んでるカフェランチの時間が長引いて見られませんでした。とほほ。youtubeに上がったのでチェック。

●『わしも死の海におった』
制作:南海放送 2010年/日本/57分 日本語

ビキニ環礁のブラボー水爆実験で被爆した第五福竜丸のほかにも、被爆したマグロ漁船の乗組員の生存者を追った証言が収録されています。口が重かった乗組員も、高校生たちが取材すると証言しだしたりしました。



●「ヒロシマナガサキ、そして、フクシマ」
(30分) 講演者 藤田祐幸氏(元慶応義塾大学助教授)

※4年前2007年に浜岡原発東海地震が襲うという恐怖心から、長年住んだ東京から長崎に引っ越したそうですが、東海地震ではなく東北に地震が起こり、福島原発放射能は長崎にまで流れてきていたと皮肉ってました。主に放射能の影響の大きさを講演してました。

//www.shiawaseno.net/" title="ドキュメンタリー映画「幸せの経済学」">「幸せの経済学」:監督:ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ、スティーブン・ゴーリック、ジョン・ページ 2010年/アメリカ、オーストラリア、日本、他/68分 日本語・英語(日本語字幕)

※インドのラダック地方に、素朴で豊かな文化のある暮らしをしていた村に、開発という消費社会が流れこみ、その結果人々の心が満たされない新たな貧困を迎えることになってしまったことについて、ほんとうの豊かさとはなにか問う映画。



●「震災報道と一億総洗脳化社会」
(25分) 講演者 上杉隆氏(フリージャーナリスト)

※フリージャーナリストの立場から、東電の記者発表、政府の発表の現場での裏話(?)も聞けました。火力発電所が稼働する日がどんどん先送りになる下りがおもしろかった。

●「核による大厄災、石油を巡る戦争から、太陽による平和へ」
(25分) 講演者 飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所所長)

原発以外の発電の方法や、可能性についてのお話。

●パネルセッション「子どもたちが笑顔で暮らせる未来に(仮)」
藤田祐幸氏・飯田哲也氏・上杉隆氏(60分)

※もうこうなっては放射能と付き合っていくしかない。よりうまく付き合う方法でこうゆうのはどうか、というので、花粉情報なみに放射能レベルの予報や、生鮮食料品のラベルに放射能レベルをつけるという話題が民間レベルで建設的だと思いました。(例:放射能レベルが高いもの値段を安く→大人、放射能レベルが低いもの値段が普通(?)→子供へ )分かりやすい例で取り上げましたが、実際の実現は難しいかもしれないけれど、何も知らされずに被爆して余計な不安を仰ぐよりも、個人の自覚を持てたほうが、未来への取り組みに知恵を出し合えるのではないかと思います。震災後、原発にめちゃめちゃ詳しくなっていった人達が何人もいるように、誰にも頼まれないのに国のことを考えている人たちはたくさんいて、政府はもう少し国民を信用してもいいのではと思います。

少し前に見た『100,000年後の安全』では、放射性廃棄物の埋蔵場所の建築にあたって、フィンランドは国民に情報公開をしていて、初めは反対だった人も情報を公開していくにしたがって賛成派が(条件付きで)増えたりして、情報の公開は人情に訴える大事さだと思いました。


実のところ政府が、東電が、福島原発付近の人たちがどうなっているのか自分の市民レベルでは情報収集もたいしてできてないし、今回の催し物は知るいい機会になりました。

Since 2004 / Copyright 2010 東京ピースフィルム倶楽部. All Rights Reserved