山種美術館で開催中の「ゆかいな若冲・めでたい大観」に行ってきました。とてもめでたいラインナップでしたー。
入って一枚目正面に現れるは伊藤若冲の「河豚と蛙の相撲図」。おおよそやる気の無さそうな、すっとぼけたフグの顔が愛嬌あって、思わず吹き出してしまいそうな絵。ゆかいでめでたい展示の始まりに相応しい一枚です。カエルの方はおそらくヒキガエルで、両者とも毒を持って争っていることから、本人の身近でいざこざがあったのではという説がありました。
若冲の墨画は筆の走りやにじみなど、特徴を生かした使い方が見事で見入ってしまいます。「群鶏図」一枚一枚の鶏のポーズも構図もさることながら、表情がはっきりと浮き出ていて、キリっとしたその視線の先には別のオスがいて、一瞬の緊張感があったり、ふんぞり返ってドヤ顔していたり、庭先にたくさん飼ってたらしいこともあって、もともとの観察力もあってか、若冲の鶏はどの作品も個性豊か。ことに、墨画に関しては尾っぽの一筆で描かれているところが、なんとも気持ちの良いラインで大好きです。
あと、エビが良かった。あの目! どこか滑稽に見えてしまう。
前回山種美術館に来たのは、「Kawaii 日本美術 ―若冲・栖鳳・松園から熊谷守一まで―」前期 - 2014-01-24の時で、その時もいいなあと思った、生まれたての子牛を描いた、山口華楊「生」、竹内栖鳳のカエルの「緑池」もありました。
いまでは来館記念? の写真スポットにもなっている、ほわほわにゃんこの竹内栖鳳「班猫」。グッズも結構ありました。
山種美術館の中にあるCafe 椿で、コラボ和菓子を頂いてきました。詳細PDF→「【特別展】伊藤若冲 生誕300年記念 ゆかいな若冲・めでたい大観 ―HAPPYな日本美術―」展オリジナル和菓子のご案内
- ▲招福/伊藤若冲「布袋図」
- 「布袋図」はぽてっとした布袋さんの魅力たっぷりの一枚。中は栗の粒入り栗あんで、まろやかでおいしかったです。
- ▲雲海/横山大観「心神」
- 「心神」は富士山を描くということは心を表すこととまで言った、大観の強い富士の一枚です。中はビシッと甘いあんこ。周りの細かいパヤパヤしたまろやかあんとのバランスがよかったです。
お抹茶でございます。
山種美術館は、土日でも混雑にあったことがないイメージ。今年は伊藤若冲 生誕300年記念ということで、4月から「生誕300年 若冲展」がはじまるようで、こちらも願わくばゆっくり見られることを願っています。
今回の戦利品。全然関係なかった国芳のグッズが充実しててつい買ってしまった。
「ゆかいな若冲・めでたい大観」
期間:2016年1月3日 〜 3月6日
休館:月曜日(但し、1/4・1/11は開館、1/12は休館)
時間:午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
料金:一般1200円(1000円)・大高生900円(800円)・中学生以下無料
場所:東京都渋谷区広尾3-12-36