カエルニッキ

ド・ザイナー。

特別展「書聖 王羲之」


東京国立博物館 平成館で開催中の 特別展「書聖 王羲之」に行ってきました。最近『とめはねっ! 鈴里高校書道部』を読んで、ちょっと書の心に触れている気分で行ってきました。

そして歴史のあるだけに、にわか知識では到底把握できるものではありませんでしたが、自分なりに書の形の面白さは感じ取れたと思います。

展示は王羲之の政治家の頃の日常的な手紙のやりとりから、仕事をやめて晩年は歌を読んだりしていたものが見られました。直筆のものはなく、拓本のみだったのは、唐の太宗という王様が王羲之の大ファンで、直筆のものをかき集め、自分の墓に一緒に入れちゃったかららしいです。原本はないけれど、そのかわり権力を使って拓本をたくさん残していたおかげで、今回のような展示もできるようになっている、ということらしい。

日常のやりとりの手紙も美しい文字で描かれているのですが、文の内容をみると、ずいぶんと後ろ向きな内容で、妹の体の調子が悪いだの、自分も調子悪いだの、最後はそんな疲れた感じの言葉で占めていたりする手紙が結構ありました。

晩年公務員の仕事をやめて、歌を読んだりのんびり過ごしていたようで、有名な蘭亭序の展示もありましたが、その頃の手紙には、花がきれいだの自然がいいだの、もう毎日楽しい! みたいな充実ぶりで、人間て変わってないんだなとか思ったり。

あと、なんにでも文字を書いてしまうという逸話でもあるようで、橋の袂でおばあさんが扇子を売っていたのだけど、ちっとも売れなくて、王羲之がサラサラと文字を書いたら、おばあさんが怒っちゃったけれど、その扇子が売れて大人気になったとかどうとか。寅さんにもあったような逸話おもしろい。

ビデオで模倣している場面が映っていたのですが、これもすごい技術だと思いました。筆のかすりみたいな部分とかの再現性とかとんでもない高等技術です。

王羲之の書は素晴らしい形でしたが、ほかに、劉墉 清時代(たぶんりゅうようと読む)の掛け軸がとめの部分とかに墨がたまっているような書き方で、すごく可愛いポテッとした文字できにいりました。

特別展「書聖 王羲之」
期間:2013年1月22日(火)〜3月3日(日)
休館:月曜日 ※2月11日(月・祝)は開館、12日(火)は休館
時間:9:30〜17:00 ※3月1日(金)は20:00まで開館 ※入館は閉館の30分前まで
料金:チケット購入 一般【当日券】1,500円/大学生【当日券】1,200円/高校生【当日券】900円
場所:台東区上野公園13-9 東京国立博物館 平成館