カエルニッキ

ド・ザイナー。

窓ガラスにうつった雨音さえも追い打ちをかける不条理映画『変身』

『変身』なんとか仕事と仕事の間に観て来ちゃった、『変身』。すごかった…。ムシが、どう表現されるのか楽しみだったのだけど、ああ、こうゆう表現があるんだーと思いました。徐々に汚くなって行くそのさまは、まさにムシそのものでした。この俳優さん、すごい! とにかく映画全体も幻想的な表現がものすごくよくて、醜い人間の実態をこれでもかと言うほど浮き彫りにして、言葉がなくても、胸が痛むようなことがたくさんありました。

皮肉にも笑うところが、ムシを見た時の人間の反応。何ともスローテンポの瞬間がすごい。笑うに笑えない。でもおかしい。これがたとえ家族でもいざとなれば他人以上の脅威になるよというのを象徴していたかのようでした。

関係ないんだけど、黒い帽子に黒いコートに黒カバンという紳士のいでたちが、ルネ・マグリットの絵を彷彿させるので、ますます奇怪な世界へ引き込まれたとおもいまひた。というか、あまりもの免疫のなさにかなり印象が強いです。ハリウッド映画に汚染されすぎと実感。