8日、芥川也寸志メモリアルオーケストラ・ニッポニカによって、日本初演の「管絃樂の為の音詩 寒帯林」を聴いてきました。
なんでも北京のみにあるとされていた楽譜が、自宅からも出てきたそうで、この度の初演となったようです。
初めて聴く楽曲。それは伊福部節のどこか聴いたようなフレーズもあり、でも初めて聴く旋律でもありました。第1楽章はゆっくりゆっくり、急がずゆっくりと進み、第2楽章、第3楽章とテンポが上がって行きます。
林業の視察で満州の頃に訪れ、作曲をしたというこの曲には、中国の曲のテーマも使われているとありましたが、しっかり日本の、それもそこにある木々のあるがままを受け入れたような静寂さと広大さのようなものを感じました。このずっと眠っていた曲を聴くことができて、ほんとにいい機会にめぐまれました。
オーケストラの演奏も素晴らしかったです。たくさんあるヴァイオリンの音が、ひとつもぶれずに線のように一本の細い糸につながってみえる、響きがとてもきれいで心地よかった。ゆっくりと激しくの振り幅の大きい曲を、見事に聴かせてくれました。伊福部先生のお弟子さんであった、芥川也寸志ゆかりのオーケストラだけに、深い絆を感じながら聴きました。