カエルニッキ

ド・ザイナー。

『おくりびと』


『おくりびと』を観てきました。自分の出た葬式と重ね合わせながら観ましたが、納棺師という仕事があること事態初めて知りました。

納棺師―それは、悲しいはずのお別れを、やさしい愛情で満たしてくれるひと

冷たくなった遺体を丁寧に拭き、組まれて固まった手首に優しく着物の袖を通し、こわばった顔を優しく包み込み、お化粧を施して送り出してくれる納棺師。これほど洗練された日本の文化があったということにびっくりです。そして何よりも遺族の人たちが、棺に納まってもなお、生前のご本人を思い起こしてしまう場面には、涙なしでは観ていられません。

東京で失業し、地元山形で納棺師として働き始めた小林大悟本木雅弘)が、葛藤しながらも様々な死に向きあい、人の奥底にある愛の姿を見つけ、納棺師としての意義を見いだしていきます。この過程が感動的。

山形というロケーションも良かった。元スナックだった実家とか、植物に覆われた事務所の2階とか、昔ながらの銭湯とか、味わい深い建物に、山形の四季がチェロの音色と一緒に優しくめぐる、とても風情のある情景でした。

自分もこうゆう納棺師におくられたい。