カエルニッキ

ド・ザイナー。

生きていくしかない

『動機』横山秀夫『動機』を読みました。前に読んだ『陰の季節』よりも中身が厚かった気がします。文庫一冊で4篇話があるのですが、2番目の『逆転の夏』が好きです。ムショ帰りの主人公に共感を覚えます。いつの間にか話に乗せられて、妄想に狩られて行動を起こしてしまうというところがなんとも愚かで、みじめったらしくて、情けなくて好きです。「生きていくしかなかった。どれほど無用な生き様であろうと、すっかり投げ出してしまえる人生などないに違いなかった」まったくその言葉通り、生きてる限り、この世の地獄で生きてくしかないんだと思った。