カエルニッキ

ド・ザイナー。

『ラースと、その彼女』


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等身大リアルドールに恋をしてしまった純粋な男の物語、『ラースと、その彼女』を観てきました。予告を観る限りコメディかと思っていましたが、ラース本人は純粋でシャイな青年で、総じて登場人物はみんなまじめな人たちばかり。

ラースの行動は、深刻な心の病気ではあるけれど、精神に異常をきたした人間を「よくあること」で受け止める街の人たちの懐のでかさに驚きです。それからラースの心境の変化が、彼女ビアンカの状態で分かっていく過程が、さりげなさすぎて、気を抜いて見てると見逃してしまいそうに。のんびりしてるようで、実は奥深いメッセージが潜んでいるのだと思いました。

結局病気のはっきりした説明もないまま、観る者に課題を残したような状態で終わるのですが、終わり頃には気持ちはゆったりほんわか。人のあたたかみが心地よい一本です。