カエルニッキ

ド・ザイナー。

『ブタがいた教室』

賛否両論を呼んだという実話の、映画『ブタがいた教室』を観てきました。

4月の始業式、新任教師の星先生が子ブタを抱え教壇で、「このブタをみんなで育てて、最後には食べようと思っています」と提案。6年2組の子供たちはどよめきながらも好奇心いっぱいで、小屋を建て、名前をPちゃんと名付け、愛情を注いで飼育をします。そうして月日が経ち、6年生の卒業の日が近づいてきた時、Pちゃんをどうするか決断を迫られるという話。

はじめは、“たべる”ことが前提だったPちゃん。でも名前を付けて世話をして行くうちに、そんなことが考えられなくなってしまう子供たち。でもどうするの? そうしてPちゃんを食べるか食べないか。クラスでは激しい議論が展開されます。

子供用台本にはセリフも結論も書かれていなかったそうです。

議論の場では、オーディションで選ばれてから半年、実際にブタの世話を身をもって体験していた子供たちの本心の言葉が、答えの出ない結末に向かってぶつかり合います。これが体当たりで容赦なく感情を揺さぶってくる。用意された言葉でない、生の言葉の破壊力がすごいです。Pちゃんがかわいそうとかじゃなくて、子供たちの真っすぐな言葉に心を撃たれます。いつしか涙が止まらず流れていました。食育の観点から見ても、ちゃんと考えることが出来るオススメの一本です。

小学校の頃、何かで読んだのですが、屠殺の仕事をしている人たちは、自分たちの代わりに嫌な役割をしてくれているのだから、そうゆう人にも感謝して肉を食べようというふうな文があり、ずっとそれが心のどこかに残っています。

でも、下級生が肉工場の見学に行って、先生が間違って肉をつるしてある部屋に入ってしまい、子供たちがしばらく肉を食べられなくなったという話も聞いたことがあります。順序良く自分で考える時間が与えられるのは、とても幸運な事なのだろうなと思いました。

うちでも小学校の頃、おばあちゃんがブタを飼っていて、売りに出すのですが、トラックに乗せる時のあの悲痛な叫びは数日耳に残りました。

【見学に行きたいところ】
東京都中央卸売市場食肉市場・芝浦と場ホームページ - トップ