カエルニッキ

ド・ザイナー。

諦めと希望は似ている『浮き雲』『過去のない男』 14:49

アキ・カウリスマキの2作品、『浮き雲』(1996年)、『過去のない男』(2002年)を観てきました。無表情でユーモアたっぷり! どっちもオモチロかったー! 最近ハリウッド映画ばかり観ていて、突然みぞおちアタックされた気分でした。

過去のない男●『浮き雲』
失業夫婦のお話し。妻のイロナ(カティ・オウティネン)の顔が、インパクトありすぎ! 始めむっつりブサイクに見えていたんでつが、観てるうちにけなげでかわいらしい妻に思えてしまうのが、すごい不思議。旦那も冴えない感じがしたけど、妻のためには危険も冒す、かっこいい男だ! 絆という言葉がぴったり。これぞ夫婦愛なんだなと思いました。会話の端々に日本の東北独特のぶっきらぼうな感じに近いものがありました。そういえば都会は装飾する言葉が多すぎる。一番すごいと思ったのはこの夫婦、金銭絡みでケンカにならなかった。

過去のない男●『過去のない男
同じ女優さんが出ているのでつが、相変わらず表情はむっつりで(笑) でもいい人なんだと言うのがわかります。過去のない男が、やる気を出しはじめた頃から、自分も前向きになっているのがわかりました。何もないところから構築して行く充実感が実に良かった。人生ってやり直せるんだなあ。全てをなくせば。

アキ・カウリスマキ作品を観たのはこの2作品が初めてだったのでつが、どうやら、その中では新しい方で、しかもハッピー(?)なお話らしいです。日本よりも厳しい失業事情を抱えてて、それを描けば過酷なはずなんだけど、どうしてどうして、残酷さもどこかユーモラスで、ささやかに、したたかに、たくましく生きて行く人間像には勇気づけられさえします。過去の作品を見たらまた、違った印象になるかもしれません。が、セリフが少なくあの無表情さの中からじわじわとにじみ出てくる、味噌のようなテイストが好きです。演技ってこうゆうことなんだなあと思いました。映画のメッセイジを受けるってこうゆうことなんだと思いました。

ひとつ思ったのが、北欧のシトたちの顔ってさまざまでつね。日本人かと思っちゃう顔のシトも結構いて、よその国という感じもしませんでした。それに二つの映画にでていた女優さんは、実は旧友にクリソツで他人とは到底思えなかった(笑) 予備知識的にネット上でいろいろ調べてみたら、結構マニアな方が多かったです。一度取り憑かれたら放されないんでつね。

【参考リンク】
Aki Matti and the Cowboys
MIDI音楽が流れまつが、このメロディが結構好き。サイトの雰囲気もイイ!

特集上映アキ・カウリスマキ・ショウ!!
時期は終わりましたが、たくさんの作品解説が見やすいです。

作品解説その3/「レニングラード・カウボーイズ」シリーズ
つぎは『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』というのを観たいです。

北欧のパッケージツアー/アキ・カウリスマキ監督の世界へ〜あぁ哀愁のバルト海〜8日間(成田発着)
あぁ〜行って見たい〜。