カエルニッキ

ド・ザイナー。

『クローバーフィールド HAKAISHA』


観る前に激しい車酔いに似た症状を起こすかもしれないので注意という警告が出されている映画、『クローバーフィールド HAKAISHA』を観てきました。座席は後ろ側で観たので酔いませんでしたが、全編手持ちカメラで撮影という、ハリウッドらしからぬチョー異色作でした。

物語は、仲間内のパーティから始まり、しばらくは人間関係の模様がいろいろ映しだされています。一人がパーティの様子をビデオで撮っていて、この一台のビデオ視点で観客はこれからの惨状を観ることになるのですが、これがものすごい生々しい。実態がよく見えないだけにリアリティが増し、さらに恐怖が募ります。仲間が一人消え、二人消えていき、モンスターの姿が見えたときそれが意味するものは……。ギャーー!

こうゆう手持ちカメラ独特の手法で、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』という、ドキュメントタッチなホラー映画があったのだけど、低予算ならではの見せ方で、実は全部本物だったとか物議を醸し出したものでした。あれは確かにすごい怖かった。見終わった後しばらく恐怖感が消えなかった。

あと、同じくドキュメントタッチといえば、『食人族』は思春期だった自分の中でトラウマになるぐらいの衝撃作。これは本編に一部編集が加えられているけれど、実際アマゾンに行ったシーンはすべて手持ちカメラで、カメラを持った人間の最後のシーンの映し方は、『クローバーフィールド HAKAISHA』の作品の中で取り入れられていました。

話を戻すと、こんな立派なハリウッド映画で、しかもニューヨークの街の破壊シーン満載の映画に、手持ちカメラ一台投入というのは、制作側はものすごい冒険だったんじゃないだろうか。もったいないですが、潔い作り方をしていると思います。