カエルニッキ

ド・ザイナー。

『ペンギン・ハイウェイ』


森見登美彦原作 『ペンギン・ハイウェイ』を観てきました。感想にネタバレ含まれるかもしれませんので未見の方はご注意です。

予告で見たのとまるで想像つかない展開でおもしろかったです。主人公のアオヤマ君が、とても好感持てる少年でした。賢くてもおごらず(そうしようと努めている)、常に探究心に満ちていて、とても多忙な小学生。お姉さんのおっぱいが大好きで、おっぱいについて熱く理論的に語る部分は、忘れかけた何かを思い出させてくれる新鮮さがあったり、チェスをしながら凝視しているのに、見ているのに見ていませんとか、矛盾してるところも憎めない。

時々行き詰まっているときに、さらっとコーヒーと助言をくれるアオヤマ君のお父さんがいいとこ取りでしたが、自分も参考にしようと思いました。

「もしわからなくなったら、一枚の紙にまとめて、それを眺めて見て、いつでも思い出せるぐらい眺めて、それでもわからないときは一旦考えることをやめて、ご飯をいっぱい食べてよく寝て、普通の生活をしたら、ふと答えたおりてくるかもしれない」という感じのことをいうのですが、その発見をした時がエウレカというらしいです。何かを発見・発明したことを喜ぶときに使われる言葉らしく、とてもステキな言葉だなあと思いました。

後半の“海”から起こる疾走感のあるビジュアルが、アニメならではの迫力で、ドラマでは難しかったのではないかと思います。結局どんな生命体なのかなんの現象なのかわからずじまいでしたが。。

少年が大人になる瞬間というのはいつの世でも切なさが付きまとうものですが、今回もしかり。でも、最後のペンギン号の発見場面で、勝手に思っているのですが、ペンギンハイウェイを見つければいつか再会できるかもしれないという希望が出てきたのではという、とても爽やかな終わり方でした。

人間関係にある余計な邪推とか邪念のようなものがなくて、考えることをやめない、清々しい気分で終始見ることができました。

18.08.27