カエルニッキ

ド・ザイナー。

『カメラを止めるな!』


『カメラを止めるな!』を見てきました。感想にネタバレ含まれると思いますので、未見の方はご注意です。




300万の低予算映画ゾン分に楽しめました。

冒頭から始まるワンカットのぐだぐだゾンビ映画37分を耐えたら、そこから第2ラウンド開始です。

ほぼネタバレとなりますが、第2ラウンドは別視点からの映像です。なぜグダッていたのかそこに至るまでのサクセスがあったりなかったり、シナリオ通りなんでしょうけれど、半分ぐらい成り行きで起こってしまった、ノリと勢いがツボでした。

なんとしてでも撮りきらなければいけないこの撮影。人は絶体絶命になると笑ってしまう。の法則で、次々に起こるトラブルに徐々に笑いに拍車がかかって行きます。静粛なところで突然噴き出してくる謎の笑いをこらえるかのように!

お芝居、映像関係者にはあるある、それ以外の人にも十分わかる苦労や喜びのようなものが詰まっていて、なおかつ家族愛的なものと、共感できる部分は多々あると思います。

この映画では、長回しと、別視点が印象的でした。

長回しの映画というと最近では『ララ・ラ・ランド』、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『ミッション:インポッシブル フォールアウト』などが印象的だったのですが、どれも完璧で、緊迫感や緊張感の迫力ある映像で映画のお話以外に、制作技術の高さを感じるものがあるのですが、冒頭の長回しにはそれが感じられませんw センスは十分感じられましたが!

また、一つの物語の別視点からの映像という設定のお話は、ミステリーモノとかに多い印象ですが、大抵シリアスなものでした。カメ止めはその点、映画を撮ってるところを映像にするところを映画にした構造で、観客は3階層の世界を、1段階ずつ3回に分けてメタ視点で見せられ、結果内情を知ってしまう手前、どうしてもコミカルになってしまいます。そして最後はみんなお疲れ様ーっていうやりきった感すら湧いてきます。笑いに拍車がかかる展開と構図のセンスの良さにやられた感じがします。

8月11日日比谷で見たのですが映画館は満席。映画が終わった後の観客席のどよめきがすごかったです。

低予算映画が話題になるのは気持ちのいい心理が働き、応援したくなるところでもあります。

監督の着ていたアロハシャツは、普通に買えるらしく、巷では取り寄せる男性陣がちらほら、にわかにブームが来ているようです。

18.08.16