アキ・カウリスマキ移民3部作の2作目最新作『希望のかなた』を観てきました。
移民問題を背景に、相当苦い内容をほろ苦くして、クスリと来る優しく甘いエッセンス散りばめたカウリスマキ術健在。厳しい現実のにどこか滑稽で、監督の激しい激情が伝わる映画。よかった。
“ある日帰宅したら爆撃にあった家が瓦礫になっていた。外出していた妹も帰ってきて、瓦礫の中から家族が発見された” 日本にいたら想像つかない状況に、はじめ何を言っているのかわかりませんでした。
カーリドは、内戦の続くシリアのアレッポから海を渡りフィンランドのヘルシンキに到着。道中それまでも人種迫害をうけつづけてたどり着いたヘルシンキは、移民の立場に配慮できる国という認識で……。移民の気持ちで見るヘルシンキは、時々歌ってる音楽がとても身に染みるものでした。
ほとんど説明がなく、役者のセリフも少なく状況だけで、理解が後からようやく付いてくるという感じでした。レストランのお寿司のシーンはその中でも日本人だけが笑えるステキ空間でした。こんなシュールな演出、私が監督の好きなところです。
最後どうしても気になる。投げっぱなしでモヤモヤする。いいの?自分に都合の良い解釈しちゃうよ!? とツイッターに書いたところ、映画公式がファボったのでいいことにします。
最近ハリウッド映画多めだったので何かがリセットされました。なお、かまわぬコラボ手ぬぐいはとっくに完売。
劇中に、ほかの映画で見た事ある俳優さんがレストランにいたけど、「過去のない男」か「街のあかり」だったかなあ。知る限りカウリスマキ映画で見たことある俳優の、イルッカ・コイヴラさん、女優さんの、カティ・オウティネンさんとマリヤ・ヤルヴェンヘルミさんたち2人出てました。(名前覚えられん)
17.12.23