(C) Chappie - Photos By STEPHANIE BLOMKAMP
『第9地区』以来好きになったニール・ブロムカンプ監督最新作『チャッピー』を観てきました。すごいおもしろかったです! おもしろかったので感想書いているうちにネタばれしてるかも知れませんので、未見で読まれる方はご注意です。
舞台はまたもや南アフリカのヨハネスブルグ。前々監督作品の『第9地区』もそうでしたが、政治情勢の不安定な土地がら社会派映画と評されることもありますが、監督は奇抜な娯楽映画を作ったと言っていて、そして最新作『チャッピー』は『第9地区』以上のエンタテインメント映画でした。
話の展開が唐突な部分もありますが、エンタ性重視したものならではと解釈しています。ブロムカンプ監督作品はいままで3作品見てきましたが、悪い者と良い者の区別が、明らかに人の立場で善悪変わることのわかりやすい見せ方、ブラックユーモア、最後の逆転劇が、おもしろいです。その最後はいつも想像つかない結末になるので、見るたびに監督作品に惹かれていきます。
何しろ今回はチャッピーが見ていてかわいくなってくる。ロボの萌ポイントギミックが効いていて、メカ好きのツボ突いてきます。そしてチャッピーが成長していく様や、細部にこだわった演出、劇中の創設者の言葉は、モノを作る人達の心を大きく動かしてしまうでしょう。
最初、唐突な展開部分はエンタ性重視といいましたが、できれば成長過程の部分はもう少し観たかったです。そうすれば奇跡への説得力も増したのではないかと思うのです。たぶん普通にカットされたんだと思いますが、入れたら上映時間がすごい長くなりそうです。
話題を呼んだ日本版でカットされた編集部分ですが、明らかに何箇所か不自然な所があったけれど、残酷シーンだったので、平和な日本では良かったのかなあと思ったり、思わなかったり。機械の受けてる残酷シーンの方が重かったような気もしたり。
きれいにまとめると、社会問題とユーモアが絶妙なバランスで混在していて、さらに人類の未来に新しい提案のヒントを提示している、そんな希望が見える映画でしょうか。
相当余韻に浸っていて、2回ぐらい観ないと気がすまなそうです。