カエルニッキ

ド・ザイナー。

『おおかみこどもの雨と雪』


(C) 2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会
細田守監督の『おおかみこどもの雨と雪』を観てきました。見た目のタイトルと優しそうな絵で、単なるファミリー向けと思ってみてはちょっと痛い目見る映画でした。本気で生きてる、親子ともに成長しながら、強烈な魂の絆で結ばれている、厳しくも美しい話でした。

雨と雪の性格が真逆で、途中で交差するさまがおもしろかった。本能の導きなのだろうな。社交的でも、内向的でも生きる道を自ずと選べたのは、花の育て方がまっすぐだったからに他ならないと思う。その愛の深さをしっかり受け取って、自分の生きる道を決められた雨。本能の、魂のつながりをどれだけ深くつむいでいけたのか、花はまだ何もしてあげられてないと言っていたけれど、そんなことはない。親子3人が運命の決断を迫られた夏の夜の台風の夜に、それはすべてを物語っていたようだ。そして台風の去った翌朝の情景の清らかで美しいこと。うまい!うまいよお! 感動せざるを得ない朝。

そして最後までいい話。最後に花がとどまった場所は、雨と雪、どちらの声も聞こえるような場所だった。なにか満たされたような映画でした。