カエルニッキ

ド・ザイナー。

ヘンリー・ダーガー展 〜アメリカン・イノセンス。純真なる妄想が導く「非現実の王国で」


Collection of Kiyoko Lerner (C)Kiyoko Lerner,2011
『ヘンリー・ダーガー展 〜アメリカン・イノセンス。純真なる妄想が導く「非現実の王国で」』を観て来ました。

19歳から死の数年前まで執筆、作画したとされる彼の小説『非現実の王国で』は、彼が部屋を去った後、部屋の片付けに入ったアパートの大家によって発見された。そこには子供を奴隷として虐待する暴虐非道な男たちを相手に、壮絶な戦いを繰り広げる7人の美少女姉妹の物語が、計15,000ページ以上にわたり綴られていた。親との死別や施設での生活を経験し、生涯を孤独に生きたダーガーは19歳の頃から死を迎える数年前までの間、誰にも知られることなく膨大な数の挿絵と共にこの作品を紡いでいたとされている。そしてダーガーは自分の死後、自分の創作物を捨ててほしいと望んでいたともいう…。(公式よりコピペ)

「自分は絵が描けないから」ということでゴミ収集場所からあさって集めた膨大な量のスクラップから少女の絵などを写し描き、15000ページにも及ぶ壮大な7人の美少女姉妹の物語を描いたものです。障害者と言うことでクレイジーというあだ名で呼ばれ、安息の場所であった精神病院ですら脱走をはかり、以後死ぬまで清掃の仕事と自宅での創作活動に費やし障害孤独だったと言われていて、その想像力には圧倒されます。

同じ女の子がたくさんいる絵にはどうにも意識をちゃんと保てなくなるような何かがあって、軽くめまいを起こしました。ヘンリー・ダーガーという人は、周囲からの圧力が強かったから、生きる本能で内側にある意味自分の居場所を、楽園を確固たる形にできたのかな。でも逆に人間、もし完璧満たされていたら、バネになるものもなく、何かを作る、何かを興すという気持ちが沸き起こらなそうな気がする。

『ヘンリー・ダーガー展 〜アメリカン・イノセンス。純真なる妄想が導く「非現実の王国で」』
作家:ヘンリー・ダーガー
会場:ラフォーレミュージアム原宿 (ラフォーレ原宿6階)
   東京都渋谷区神宮前1-11-6
会期:2011年4月23日(土)〜5月15日(日)
   11:00〜20:00 [5月15日(日)は18:00まで]
料金:一般800円 / 学生600円
※ 小学生以下、ラフォーレカード会員は無料