谷中galleryTENで開催されていた、「25人のアウトサイダーによる獄中画の世界展」を観て来ました。
展示は長期服役中の人、死刑が執行された人、執行前の人、とさまざま。長く塀の向こうの世界にいる、限られた自由の中でのギリギリの精神状態で描かれたであろうということを念頭に置いてみました。
帝銀事件の平沢貞通の絵は、画家ということもあってやはり展示の中では群を抜いて目を引くものがありました。実際部屋の中には花は置けず、花は想像して描かれたものらしいです。暖かくも冷たくも感じる花の絵に、無罪を主張し続け、何度かの自殺未遂をしながら、死刑ならざる死刑囚として30年余り、無念の獄中死に至ったであろうその気持ちを、どうやったって想像できるわけがないけれど、何とか感じとろうと思いながら観ました。
元連合赤軍の女幹部 永田洋子の絵は、なんとも少女チックなタッチだけど、内容が生々しい。獄中ですれ違ったという絵は、多分おおっぴらに公開されないような場面だと思うのだけど、塀の中の知られざる世界のリアリティがありました。
ほか、制限があり、ペンだけで描きあげたネコの細かいタッチの絵や、2羽のカモの絵の羽だけじゃない、水面にも究極に細かい描き込みの水彩画、仏教の宗教画のような絵、絵に平和を唱える文字を載せたものもあり、強烈なメッセージ性を思わずにはいられませんでした。
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