カエルニッキ

ド・ザイナー。

『プール』


(C)プール商会
『プール』を観てきました。

大好きな小林聡美主演の、『かもめ食堂』『めがね』から多くのスタッフを引き継いだという、この映画、やっぱり癒されました。色合いがすごくいい。どちらかというとビビットな色が好みなのですが、薄い水色と白い砂の微妙な色あいには惹かれるものがあります。それに加えて南国ならではの野生の生き物の鳴き声が、いい世界をつくっていました。

ですが、監督が今回違う人のせいか、癒されるのに前2作と比べてしまって、難易度がグッと上がったようにも思います。奥深い演出で、もしかしたらわかりにくいのかも。いい話だと思うのですが。

正直、見終わったあとに、これでいいのか…? と、しばし考えたんですが、あとで自分なりに解釈。

母親の京子と娘のさよが2人でタイの鍋をつついてる時の会話で、それまでにため込んでいたさよが「私は一緒にいたかったのに」と遂に母親にぶちまけるのだけど、「あら、そうだったんだ」と、あっさり。“やりたいことをやりたい”そんな人生を送ってきた京子の、なんの嫌みもないストレートな反応に、かえって拍子抜けてしまったさや。

そうなんだ、変なしがらみでがんじがらめになって、相手にもそれを強要してお互い苦しむよりも、ずっといい生きかたかも知れない。そんなことを理屈抜きで表すのって結構難しい。そこがわかりにくくて難易度が高かったのではないかなと。

そして、さや役の伽奈が、素で演技してるような感じでしたが、さやの中にあるもどかしさをうまく引き出されていると思います。劇中で小林聡美がギターもを持って歌っていたのですが、なんと本人作詞作曲でした。多彩な人だ。。。

ところでおやつにたべていたバナナを揚げたやつ、サクッカリッとした食感のようでたべてみたいです。いつかタイ国にも行きたいと思いました。