カエルニッキ

ド・ザイナー。

『怪物はささやく』


パンズ・ラビリンス』製作スタッフということで、気になっていた『怪物はささやく』を観てきました。

ビクビクしながら見たけど『パンズ・ラビリンス』よりは優しかったです! 大体物語は想像通りでしたが、見せ方が思慮深く、善と悪がはっきりわからないような複雑な表現で、個人的に大変好み。歪曲を重ねて練り出される、少年の本音と解答を聞いた瞬間、開放感から涙が出てきます。

怪物のストーリーのアニメーション部門は、原作のイラストレーターも参加しているとのことで、これもまた味わい深い水彩絵の具のアナログ的な映像表現は、最近にしてはとても貴重なテイストでした。

少年から大人になる年頃の男の子の心の葛藤を描いた物語だろうなとは思うのですが、何度か出てきた、“罰は与えないのか”“罰は与えても意味が無い” このやり取りがあったのが印象的。

救いがあるのかないのか、これも受け手次第のような所があって、それでも現実を受け入れて生きていく、という意思はわかったものの、ハリウッドのスカーッとするハッピーエンドが好みの人には、かなり後味悪い内容かなと思いました。