カエルニッキ

ド・ザイナー。

『スター・トレック BEYOND』IMAX 3D 字幕版


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初日初回の『スター・トレック BEYOND』IMAX 3D 字幕版を観てきました。以下、感想はネタバレ満載なのでご注意くださいませ。


新キャストになってから、『スター・トレック』2009年、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』2013年、そして『スター・トレック BEYOND』と3作目になります。前作まで監督を務めたJ・J・エイブラムスに変わり、今作は『ワイルド・スピード』のジャスティン・リンが担当。JJは製作総指揮という形でこの作品に関わり、脚本にスコッティ役のサイモンペッグが参加しているのも注目でした。音楽は変わらずマイケル・ジアッチーノ

さて、本編の感想ですが、大好きなスター・トレックの映画の感想に、これから書く内容は、とても勇気がいることなのですが書いてしまいました。私はちょっと期待をしすぎたかもしれません。ひとことで言うと目新しい物がなかった。少々刺激が足りませんでした。一作目の快感を求めてしまってたのかも。

ビジュアルは監督持ち味のスピード感があって、宇宙空間で大群に襲われるシーンや、エンタープライズが徐々に解体され、傷めつけられて遂には墜落するまでの映像は大迫力でしたが、墜落ネタも前にあったもので、クルーがバラバラになって危険な目にあっても、まったく緊張感がわかず、ある意味安心して見られました?

なんというか、普通だったのです。『ジェイソン・ボーン』と同じ、普通にスター・トレックでした。

とはいえ、ストーリーはクルーの絆もユーモアも細かく描かれてとてもいい話。TOSのあらゆる場面のオマージュがふんだんに盛り込まれ(エンディング映像までも!)、古参ファンをきっと喜ばすマニアな場面が何十箇所もちりばめられ、脚本に愛がたくさん詰まっているのがわかります。

トーの恋人や小さい娘が出てきましたが(あれデモラなの!?)TOSのころ、ジョージ・タケイがジーンロッテンベリーに、同性愛者の話も入れてくれ的な希望を言ったとか言わないとかそんなエピソードを思い出しまして、もし本当なら未来(過去?)に願いがかなってよかったなと。

はじめに昔のスポックの訃報を、若いスポックが知らせを受けるところが、リアルと連動しててズシンと来ます。カークはカークで迷い始め、しかし、そして最後にちゃんと答えを見つけ出した脚本はとても良くまとまっていました。

ビヨンドはいいレナード・ニモイの追悼映画に仕上がっていたと思います。それととても残念だった、不慮の事故で亡くなった、チェコフ役のアントン・イェルチンにも捧げる言葉がありました。ホント残念……。次作が作られるなら、ジェイラがクルーの仲間に入ってくれるといいなあ。新しいケルビンタイムラインでの本当の歴史作っていって欲しい。

最後に、ビースティ・ボーイズの「Sabotage」がまた、絶妙に最高の場面で使われていて、カークのニヤリが良かった。消えるかも知れないけれど映像を貼っておきます。ビースティ・ボーイズはJJ監督が好きらしいですね。2009年のもついでに(すでに懐かしい)。ワーーーー! 一気にテンション上がります。音楽の力ってすごい。




追記:1回目見た自分の落胆ぶりに折り合いをつけたくて、5日後に、2回目観てきました。今度は期待せずに、上からを下から見ようと(気持ちの上で)。そしたらおもしろかったんです。楽しめてよかった。エンディングの“Space... the final frontier〜”のナレーションがメインクルーみんなでしゃべっていたのが50周年らしかったです。
たまたまみたネットの感想で、「スター・トレックは初めて見たのですが、すごいおもしろかった!」と書いてた人がいて、やっぱりおもしろいんだって思いました。私は、あまりに好きすぎてこじらせてしまっていたか、素直な気持ちで見られるように、気をつけます。


16.10.27