カエルニッキ

ド・ザイナー。

『イミテーション・ゲーム / エニグマと天才数学者の秘密』


(C) 2014 BBP IMITATION, LLC
『イミテーション・ゲーム / エニグマと天才数学者の秘密』を観てきました。すごいストーリー展開! 脚本もすばらしいし、俳優もすばらしい。


第二次世界大戦を左右する暗号解読までのサクセスストーリーかと思いきや、思いのほか事態は複雑で、そして解読後におこった悲劇。たった数人の解読者たちが背負う戦争の勝敗の重さで、戦争を見る目が変わってしまいました。


その過程を知った上で、エニグマ解読にチューリングの作ったコンピュータ、クリストファーが、今のコンピュータの前身であると、自分達のいる時代が、チューリングの影響のもとにあると知って、その偉大さに鳥肌が立ちました。


タイトルになっているイミテーションゲームとは、チューリングが考案した、機械に思考あるかというテストのこと。英国では2014年、チューリング死後60年を記念して、このイミテーションゲームが行われたらしく、そこで初めてあるコンピュータが、13歳の少年と見分けがつかなかったとのことで合格したそうです。まだ全然去年のことなんですね。


物語の終盤で確信に近づいていくと、英国の天才数学者、アラン・チューリングが、本当に作りたかったものは、少年の頃失った友人クリストファーだったのだとわかります。戦争の時代に翻弄されつづけたチューリング、もう数十年遅い時代に生まれたら、戦争の行方も彼の運命も変わっていたでしょうか。史実は切ないけれど、彼の望んだクリストファーが、また未来、だれかが作るのだろうかな。そんな事を思いながら、今日もまた自分はコンピュータに向かっております。

15.03.24