カエルニッキ

ド・ザイナー。

『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』


惡の華』のインパクト以来、気になる作家、押見修造先生の吃音症を題材にした『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』を読みました。あとがきに、押見修造先生本人も吃音症で、吃音症でなければ漫画家にならなかったかもしれないという部分を読んで、とても力強いものを感じました。

吃音には、連発型と難発型とあって、作者は後者のほう。「………っ…………」と無音になってしまうもの。同じような人が小学生の時同じクラスにいたので、すごくわかる! 授業で当てられて本を声を出して読むときとか、てきめんでした。クラスの子らはみんな昔から一緒なので良く知ってるし、バカにする人もいなかったのですが、新しく来た先生とかは、やっぱりびっくりしてたみたいです。

やはり友達と遊んでいるときは割とスムーズにしゃべれるんだけど、ちょっと怒ったりとかしたとき、声が出なくなったりして顔が真っ赤になって、言いたいことがズバッと言えないのは、悔しかったのだろうなと今となっては思います。

押見先生は、言いたいことが言えず飲み込んで、心に封じ込めたのを爆発させられたのが漫画だったという。重みのある、とても重く受け止めたい言葉でした。今の自分にとても刺さる部分でした。

これまで『惡の華』『ぼくは麻理のなか』と読んできたのですが、どれも好きで、ずっと印象に残る作品です。