カエルニッキ

ド・ザイナー。

よみがえる日本映画vol.4[大映篇]『美しき豹』

映画保存のための特別事業費による、よみがえる日本映画vol.4[大映篇]『美しき豹 』を観てきました。1948年のモノクロ映画。伊福部昭音楽の見たことない映画だったので観てきたのですが、思いのほかおもしろかった! 時代背景もそうだけど、この時代独特のセリフ回しや、言葉遣いがとても新鮮でした。

頑固の典型な退役軍人の父、ヤミ物質をもあつかう会社で働き家庭を支える妹と、未亡人となり実家に戻ってきた姉。淫らな妹、清楚な姉という全く逆タイプの姉妹の、揺れ動く心情の時に流れる伊福部曲が盛り上がりました。昔の映画って、随時音楽が流れるシーンはそれほどない印象で、それだけに流れるところはとても印象づよく残ります。

映画の冒頭の音楽がいままで自分が聴いたことないフレーズでした。出演者の名前が本人の直筆っぽかったです。

フィルムセンターは以前から観たい映画上映してたりしてて、気になりつつもようやくくることが出来たのですが、劇場入るまでが民間営業の映画館と違ってておもしろかったです。待合ロビーのソファーは左回りに先着順の流れで、時間が来たら先着順に2階の受付まで階段で登り、500円玉を出し、劇場へという黙々とこなされる流れが、映画好きだけの特別空間を醸し出していました。