カエルニッキ

ド・ザイナー。

『カラフル』


(C) 2010 森絵都 / 「カラフル」製作委員会
『河童のクゥと夏休み』原恵一監督最新作『カラフル』を観て来ました。生前罪を犯して一度死んだ「ぼく」は、輪廻転生の輪からはずれるところを、最後のチャンスに運良く選ばれ、半年ほど仮の肉体で修業することになる。「ぼく」と舌足らずな関西弁のプラプラが織り成すファンタジー思春期アニメ。

まったく生前の記憶がないところから、小林真という中学3年生の肉体にはいりこむ「ぼく」。実は小林真は自殺を図りその魂が抜けたあとに「ぼく」が入り込んで半年間修業するという事なのだけど、小林真のことも「ぼく」自身の事もまったく知らないまっさらな状態からの目覚め。そうなると人間どうなるのか。

なんのしがらみもない状態でとる行動と、持って生まれた素質がおのずととらせる行動の、可能性にあらためて希望を感じました。いま同じ年代で同じ思いを抱えている人たちの心に、どれだけ影響力があるのか。自分ですら共感する部分がたくさんあったので、きっと同年代の心にはすごくありそうな気がしました。

淡々と出来事が進む中、じわりじわりと感動が来ます。淡々と日常は過ぎて行くけれども、これは大きなきっかけです。終わったあとの余韻もじわじわ。玉電が出てくるところは印象が深く残りました。監督の映像マジックがはいっています。二子玉川を良く知ってる人には、なじみの風景が多いかもです。